• 最近更新された r7rs-benchmarks の結果で、
  cpstak と parsing のタイムアウト(5分以上)が発生していたため調べました。

• 情報元：
  https://ecraven.github.io/r7rs-benchmarks/

• ひとつ前の結果：
  https://web.archive.org/web/20221104225919/https://ecraven.github.io/r7rs-benchmarks/

• 自分の環境 (Windows) で確認したところ、
  Gauche 0.9.14 と 0.9.15 とでは、実行時間が以下のように増加していました。

  ./bench gauche cpstak
      178s  ==>  237s (133%)
  ./bench gauche parsing
      296s  ==>  370s (125%)
  

• このため、git bisect で、0.9.15 と 0.9.14 の間を確認したところ、
  次のコミットが見つかりました。
  89d270c
  ( Explicitly start marker threads )

• 変更箇所をコメントアウトしたところ、以下のように改善しました。

  ./bench gauche cpstak
      162s
  ./bench gauche parsing
      263s
  

＜補足情報＞

• https://practical-scheme.net/wiliki/wiliki.cgi?Gauche%3AGC
  の下の方に、過去の GC の設定の情報があります。(古いですが…)
  そこに、THREAD_LOCAL_ALLOC を設定すると、シングルスレッドアプリケーションでは、
  20%程度速度が低下したというような記述があります。

• 別の情報として、事前に

  export GC_INITIAL_HEAP_SIZE=100M
  

  を実行すると、変更箇所のコメントアウト前の実行時間は、

  ./bench gauche cpstak
      117s
  ./bench gauche parsing
      160s
  

  に減少しました。また、変更箇所のコメントアウト後の実行時間は、

  ./bench gauche cpstak
      105s
  ./bench gauche parsing
      134s
  

  に減少しました。
  これは以前、
  Gauche-r7rs-bench-GM
  で調べた結果に近くなっています。
  ただ、メモリを消費するし、効果があるプログラムは一部だけのようでした。